大阪・関西万博はすでに失敗している。即時中止を勧告する!【適菜収】 |BEST TiMES(ベストタイムズ)

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大阪・関西万博はすでに失敗している。即時中止を勧告する!【適菜収】

【隔週連載】だから何度も言ったのに 第83回

大阪維新の会パーティに出席した松井一郎大阪府知事(当時・右)と特別顧問だった堺屋太一氏(左)。2012年8月29日

 

■なぜ危険な場所に会場を作ったのか

 

 そもそも、なぜ危険な場所に会場を作ったのか。維新がカジノをつくるため夢洲に無理な誘致をしたからだ。最初は酔っ払いの与太だった。堺屋太一と橋下徹が寿司屋で酒を飲んでいるうちに堺屋が言い出し、それを実現するために、松井一郎と橋下が安倍晋三に酒を飲ませて、「気持ちよくさせ」、密室で決めた。朝日新聞取材班はこう報じている。

 《万博の誘致は当時、「夢物語」(府幹部)だと思われていた。事態が動いたのが、15年12月19日の会食だった。東京・永田町のザ・キャピトルホテル東急。その中にある日本料理店「水簾」で、松井、橋下、安倍、菅の4人が向き合った。

 松井が万博の必要性を訴えると、安倍は東京五輪後に経済を底上げする一手として、関心を示した。関係者によると、安倍はその場で菅に協力するよう指示。菅はすぐに経済産業省に連絡して、万博について大阪府と検討するよう指示したという》

 人治国家か。

    *

 松井は当初「万博が誘致できればその経済効果は6兆円以上」などと言っていた。大言壮語してバカを誘導するのは「都構想」のときも同じ。前売り入場券は売れていないし、売上とされる入場券の多くが企業・団体の購入分。会場建設費も膨張。メタンガス対策費や追加整備の名目で、膨れ上がっている。

    *

 日本国際博覧会協会の石毛博行事務総長は2月28日の定例会見で、参加47カ国が独自に建設する海外パビリオン(タイプA)のうち、外観が完成したのはわずか6カ国だと明かした。

    *

 これから始まること。

①維新周辺メディアによるプロパガンダの投下。

②維新周辺「文化人」、それに騙されたネトウヨ、吉本興業の芸人らによる明後日の方角からの万博擁護。

③ゴミ同然の入場チケットの押し付け合い。

④責任をうやむやにするための政治工作。

 いや、もうすでに始まっているか。

    *

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適菜 収

てきな おさむ

1975年山梨県生まれ。作家。ニーチェの代表作『アンチクリスト』を現代語にした『キリスト教は邪教です!』、『ゲーテの警告 日本を滅ぼす「B層」の正体』、『ニーチェの警鐘 日本を蝕む「B層」の害毒』、『ミシマの警告 保守を偽装するB層の害毒』、『小林秀雄の警告 近代はなぜ暴走したのか?」(以上、講談社+α新書)、呉智英との共著『愚民文明の暴走』(講談社)、中野剛志との共著『思想の免疫力 賢者はいかにして危機を乗り越えたか』、『遅読術』、『安倍でもわかる政治思想入門』、『日本をダメにした新B層の研究』(KKベストセラーズ)、『ニッポンを蝕む全体主義』『安倍晋三の正体』(祥伝社新書)など著書50冊以上。「適菜収のメールマガジン」も好評。https://foomii.com/00171

 

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